【引退特別寄稿】カセ釣り奮闘記・10年間の串本のカセ釣り(第三章:Youtubeとビジネス展開 その4)

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(アイキャッチ画像はお手上げ画像。この時のために用意してたわけではないけど。笑)

終戦

2023年6月29日、当サイトの「重要なお知らせ」で、僕は釣りからの引退を表明しましたが、引退はもちろん昨日今日で思いついたことではなかったです。

僕は性格的に「この釣りを」と決めたら、それに向かって全身全霊と言うか、他の釣りはほとんどしないし、そもそもこれって決めたら他の事にはほとんど全く興味が持て無い性格です。

磯釣りからカセ釣りに来たときも、「カセ釣りをやる」と決めたら磯釣りをやる余裕(気持ちの余裕ですね)が無くなったいうか、磯釣りを「やりたい」とも思わなくなりました。

良いように言えば「愚直で一途」ですが、悪く言えば「潰しが利かん」とでも言いますかね。「これやる」って決めたら、それ以外の他の事はホントにどうでもよくなります。

串本のカセ釣りは2014年から「これやる」って決めてやってきた釣りですが、僕の釣り人生においてはこの釣りを「最後の釣り」にしようとはかなり前から思ってました。

もう一回串本のカセ釣り以外の釣りで「浅海のグレ釣りみたいなことをやれ」って言われても、もう年齢的にも自信がないし、運動能力的にも思い通りのパフォーマンスが出来るとは思えないですからね。

2022年に入ってからは、朝一でカセに乗ったら午後からはもう左腕が上がらなかったし、YouTubeの稼ぎもピリッとしないし、また色々な事に逆風を感じることも多かったです。正直なところ「続けるだけの気力もなくなってきた」というか、「もういいか」と思うようになりました。

というわけで、カセ釣り歴10年の節目で「潮時」とさせてもらったわけですが、「やり残したことは無いか」って訊かれたら、ううーん、ナンかあるような気はしますね、正直なところ・・・笑

予兆と落水

令和は2019年からスタートですが、令和に入ってから「時代の流れのようなものを感じることが多かった」です。

何かにつけ「時代の変化について行くのが難しい」と感じるようになったし、方向性を模索する日々が続きました。釣りの方も「イマイチピリッとしない年だった」と言うか、黒潮の蛇行が始まって2年くらいで、湾内の潮の変化などが顕著になってきたタイミングだったかも知れないです。

翌年(2020年)は、コロナ禍の背景があるのでSNSを使ったグループ活動ナンかにも力を入れましたが、釣り関連は人も集まってくるし、この年は梅雨からレッドゾーンの釣りが好調だったことに加え、盆前からイワシエサの青物釣りが絶好調となって、YouTubeチャンネルの各数字もボチボチとですが上がってきました。秋口までは結構な手ごたえを感じてたんですね。

しかし「好事魔多し」とでも言うんですかね。この年の11月26日、ちょっとした事件がありました。

具体的には朝一番でカセから落水するという失態をやらかしてしまったんですが、今思えばこの事件からどうも潮目が変わったような感じがします。

「流れに逆らったらエエ魚は釣れん」(海信語録)

翌年(2021年)4月に串本町に移住して、いよいよ釣りの事でアクセル全開を試みますが、調子のよかったのも最初だけ、秋口にはもう方向転換を余儀なくされたし、それに伴って資金繰りも悪化の一途を辿りました。

苦肉の策を色々と試みますが、どうも方向性として合っている感じがしなかったというか、間違っている方向にドンドン行っている感じが拭えなかったです。これは「流れに逆らっているな」と強く感じました。

求めていた理想像からドンドン自分から離れていくような、何とも言えない虚無感。誹謗中傷は妬み、やっかみ、ひがみ、嫉妬から来るものばかりなので、むしろ中傷されることで優越感に浸れる強い自分がいたはずなのに、このマイナスの空気感は言ってみればシロアリの浸食と同じで、僕の信用や信頼の柱を蝕んで、間接的に本丸に迫って来る感じがするようになりました。

かくして移住から1年足らずで、早くも敗色濃厚となってきました。

とにかく、「思い残すことが無いように」、終盤はこればっかり考えてましたね。

プライドと20年前の誓い

今から20年前の2003年の年末から釣り関連のメールマガジンとブログで、僕はインターネットビジネスを始めました。

最初は思うようにメルマガ読者も集まらないし、ブログにアクセスなんて、ほとんど無かったです。まあ、当たり前っちゃ当たり前ですが。笑

暗中模索を続ける中、翌2004年にスーパーアフィリエイターの某氏に面談をしてもらえる機会を得ました。この人はこの当時は大学生だったですが、早くも頭角を現し、在学中に起業までした人でした。

某氏:「どういうブログを作ってますか?」
僕:「釣りのブログでやってます」

某氏:「へぇ、釣りのブログ。で、いくらくらい稼ぎたいんですか?」
僕:「月に250万くらい稼ぎたいです」

某氏:「絶対に無理です。釣り以外の事でやりましょう」
僕:「・・・・」

素人がネットで稼ぎたけりゃ「お困り系を攻める」のは当時の(今でもかな)王道で基本です。釣りで困っている人なんていないので、「絶対に無理」は「そりゃそーだ」なんですが、間髪入れずにガツンと否定されたので、強烈なインパクトでずっと記憶に残ってます。笑

ただこの時、方向性は全否定されても僕の熱意は伝わったみたいで、某氏は親身になって色々とアドバイスをしてくれました。

面談中に僕のブログをみてSEO対策の指導とか細かくやってくれたんですよ。当時の僕は初心者だったし、ネット集客関連の専門的な知識なんて全く無かったので、食い入るように聞き入って、言われたことは全部メモして自宅に帰ってから教えて貰ったことを全部愚直にやりました。

ただ、反骨精神から、体中の血が湧きたつような、何とも言えない燃える感情がありました。

「釣りの事なんて、ナンも知らん若造のくせに、絶対に無理とか言いやがって」「俺は(釣りで稼ぐ事を)絶対にあきらめんぞ。ガッツリ稼いで絶対に見返してやる」

この面談は本当に感謝して余りあるものだったし、恩返しは「見返すほど稼ぐ事」以外にあり得ないと決めて、まあ、ここから先はめちゃくちゃ釣りのブログ記事とか作りました。(時間が足りなきゃ寝なきゃイイとか、普通に言ってましたからね。笑)

しかし、どれだけブログを頑張っても、メルマガの行間に魂を込めても、釣りのコンテンツで「シッカリ稼げた」ってのは無かったです。

3年くらい頑張って、某氏に言われた「絶対に無理」は僕も「激しく同意」に至ったんですが、「どこかで一発逆転」は常に狙っていたし、「諦める」という選択肢をそもそも考えたことが無かったです。

「続けていれば、いずれ大きなものになって返って来るはずだ」

根拠があるはずもない、この「ナンとなくやれそう」「僕なら出来るだろう」という妙な自信とプライドに支えられて、20年頑張ったわけです。

しかし20年経って返ってきたものは、どんどん思い通りにならなくなった「現実」で、20年前、某氏に言われた「絶対に無理です。釣り以外の事でやりましょう」を、やっと全面的に受け入れる気持ちになりました。

「20年頑張ったから、もういいか」

こう思うようになってきた自分に腹も立たないし、むしろやり切った感もあるし、ナンとなく「すがすがしいモノ」すら感じるようになってました。

2023年2月から始まるショート動画の収益化を最後の望みという事にして、「これに負けたら辞めよう」と覚悟を決めました。

一縷の望みショート動画の収益化

ショート動画の収益化が始まるタイミングでは、同船ガイドで青物釣り頻繁に行っていたので、動画の尺には困らない状況でした。

なので、更新頻度を活発にするという事は出来たでの、アナリティクスに出てくる数字は過去最高を毎日更新しているような状況になりましたが、「おそらく収益状況がいきなり好転することは無いだろう」とは、ナンとなく解ってました。(長年ネットで飯食っているので、そりゃ解ります。笑)

かくして、3月の収益状況を見て引退を決断、串本のカセ釣り歴10年の節目が2023年6月29日なので、「その日で終わろう」と決めました。

「どんなに強い世界チャンピオンでも、負けたことが無いチャンピオンは居ない」(畑山隆則・元WBA世界スーパーフェザー級、WBA世界ライト級王者)

上は畑山隆則さんが、ガチンコファイトクラブと言う番組で言ってたセリフなんですが、「深いなぁ」と思って記憶に残っている名言です。

「世界チャンピオンでも負けるんだから、僕なんかそりゃ負けるわ」と思えば少しは気持ちが楽、と言うか、まあ頑張ったから、自分で自分を褒めてやろうと思います。

「本気で20年間戦ったけど、負けた」

本気で戦ったから、終わった今は確かにスッキリしてるし肩の荷が下りて気持ちは楽、なんだけど・・・

ちょっとだけの未練と悔しさは、やっぱりありますね。

エピローグ(あとがき)

10年間で何回くらいカセに乗ったんでしょうねぇ。

多分500回くらいだと思うんですけど、その大半はブログ記事やYoutubeの動画にして、「串本のカセ釣りの普及」という点においては一定の影響力(それと成果)はあったと、これは自負しても良いと思うんですけどね。

「こだわるべき数字は『号数』ではなく『回数』である」(海信語録)

通えば通うほど色々な事が見えてくるし、人って回数をこなさないと、やっぱり本質は見えないし解らないんですよ。

「たったこれだけのことが腑に落ちるように理解できた」となるには、それ相当な回数が必要だったりします。しかし、そのたったこれだけのことが腑に落ちるように理解出来ただけで、釣りの面白さは3倍くらい一気に面白みを増します。だから「数を行く」っていう部分は、出来るだけやって欲しいなぁと思うんですね。

まあ、「頑張って500回釣りに行きましょう」とは言わないですが、当ブログ読者諸氏には、これからもドンドン串本のカセ釣りに行ってもらえばと思います。

10年間串本のカセ釣りをやって、ホントに色々な人にお世話になりました。色々な人のお力添えでここまでのコンテンツ制作が出来たし、個人的にも満足し、納得できたカセ釣りライフでございました。

本当にありがとうございました。関係者諸氏、ブログの読者様、動画の視聴者様には、謹んでお礼を申し上げます。

ではでは、頑張ってイイのを釣って下さいね。

2023年7月 自宅にて

海信(兼崎秀治)

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兼崎 秀治串本大島カセ釣り研究所代表

投稿者プロフィール

串本大島カセ釣り研究所を運営しております、HN海信(本名:兼崎秀治)です。
波止釣り、磯釣りを経て、現在カセ釣りに夢中ですが、12歳から釣りやっているので、釣り歴は40年以上です。

現在後進の色々な人に釣りの魅力を伝えるべく、日夜邁進しております。どうぞよろしくお願いします。

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