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手記「釣りは努力なんか要らんよ。夢中になったらエエねん」

波止釣り時代の写真。ハネ釣り大会で他魚の部で優勝したとき

(アイキャッチ画像は25年くらい前のもの。笑)

先日Youtubeで偶然見た動画(ショート動画)ですが、ちょっとした「気づき」を得られるものがありました。今回は、そんな話をちょっとしようと思います。

そのショート動画は、「1分間で美味しいチャーハンを作る」というもので、演者はラーメン屋の店主さんか街の中華屋さんかは解らないですが、鍋を振る手際の良さやスピードに見とれてしまいました。(ニンニクチャーハンとか、めっちゃ美味しそうでした。笑)

いや、僕も若いころに街の小さい中華屋でアルバイトしたことがあるんですよ。で、まかないでチャーハン作りにチャレンジしたことがあります。(ヒマな店だったので、親方は適当に遊んでくれました。笑)

当時高校生の僕は、親方の見様見真似でチャーハンを作ろうとするわけですが、中華鍋は重いし、コンロは無茶苦茶熱いし、鍋を振ればチャーハンは何処に飛んでいくか解らんし、汗だくで「親方、難しすぎるわ、こんなん無理やん」で、大笑いされた記憶があります。

「職業(プロ)として」ってのもありますが、「毎日同じことを繰り返している人」と「初めての人(あるいは、たまにしかやらない人)」とでは、同じことをやっても、こんな感じで雲泥の差があるのは、そりゃ当たり前なんですが、動画を観ながら昔を思い出し、ふと、「そうか、そうか、そりゃそーか・・・」と思う事がありました。

動画の演者もバイト先の親方も、鍋を振るのに力感が無い。スピーディーで無駄な動きも一切無くて、「チャーハン1人前作るだけなら、ほとんど汗もかかんだろうな」という事は、見ただけで解ります。

これ、逆に言えば、チャーハン1人前つくるのに、力んで汗だくになってとかなら、毎日チャーハン作りなんて出来ないわけで、毎日やるから、無駄な動きが削り取られてスピードも上がれば手際の良さも洗練されていくわけで、それを突き詰めれば「職人技」とかになるわけですね。

いや、ここまでは、普通の当たり前の話を書いてます。笑

(それがカセ釣りと何の関係があるんだとか思われるでしょうね。。。)

釣り人はドン臭い

「釣り人はドン臭い」って、「お前喧嘩売ってんのか」って思われる方もいるかもですが、いやいや、ちょっと待ってください。これは別に、「あなたは運動神経がにぶい」とか、そういう事を言っているわけじゃ無いです。

僕は、この前の冬(2022年11月から2023年2月、3月)は、同船サポート&ガイドで1か月間に10日から15日くらいカセに乗ってました。5日連続とかもありました。

まあ、青物が好調だったからこの頻度で釣りに行ってたわけですが、こんな感じで毎日のように釣りに行くと、何が起こるかと言うと、無茶苦茶疲れます。笑

で、これは後で気づいたんですが、毎日連続で同じことを繰り返して発生する疲れは、本能的に人間は避けようとします。すなわち、本人が自覚してもしなくても、無駄に疲れないように無駄な動きはしなくなるんですね。多分、人の体ってのは、そうなっているんですね。

要するに何が言いたいかと言うと、毎日釣りをしている釣り人なんて、ほとんどいないじゃないですか。よく釣りに来る人でも、1ヶ月に1回、2回とか2、3ヶ月に1回とか、そんなモンなんですよ。

「釣りは経験が重要」とか「釣りは経験がモノを言う」とか言われますが、一般的な釣りにおける「経験」と言われるものは、この程度のモノなんです。だから、人が見とれるほど、竿を手際よくスピーディーに振るなんて普通の釣り人には無理な話だし、ドン臭いのも当たり前なんですよ。

デカいのにバチ切られて、釣り宿の親方や船頭に、「ドン臭いなぁ」とか「下手くそ」って言われたりすること(親しみを込めて言ってますからね。笑)、よくあるじゃないですか。

そんなん、毎日海に出ている人と比べたら、釣り人はドン臭くて下手くそで当たり前。前述の高校生の僕が中華鍋を振っているのと、同じことって言うわけです。

また、例えばイワシフカセでの青物とのやり取りでは「力まない事が大切です」とか、僕は色々なところで言ったり書いたりしてきましたが、よくよく考えると、経験がほとんどない釣り人に、大きな魚がブン曲げている状態で、「力むな」「冷静に」なんて言う方が無理です。

疲れてないから無駄な動きをしたところで、体力的にどってことないし、楽しすぎてアドレナリンが出ているような状態でもあるので、ドタバタ、ギャーギャー、うるさいのも当たり前。「静かに釣りしろ」って言うのが、よくよく考えたら、そもそも無理な話ナンですね。笑

夢中になったらエエねん

波止釣り(大阪湾のエビ撒き釣り)を最初始めた時、ベテランたちの華麗な磯竿のさばきに「いいなぁ」と感じました。で、自分も「ああいう風になりたい」と思ったから、彼らと付き合いを始めました。

当時の僕がいいなぁと思った先輩たちは、おおよそで週に1回から2回釣りに来てました。で、10年以上通っているベテランばかりで、「追いつくには、回数をこなすしかない」、単純に僕はそう考えるようになります。

「週一回なら年間50回、週二回なら年間100回」、これを10倍すれば10年分で、「とりあえず500回釣行すれば、彼らに追いつける」。

サラリーマンをやっていては無理だと思ったので、職を変え、ライフスタイルも釣りを中心にしたいので、趣味だったギターもカラオケも捨てました。これが31歳の頃。(ゴルフはよく誘われましたけど、一回も行ったことが無いです。笑)

このころ、年間250日くらい釣りに行ってました。

数だけで言えば、2年くらいで10年選手のベテランたちに追いついたと自覚は出来ましたが、入れ込み過ぎて物足りなくなって、5年ほどで波止釣りはやめてしまう事になりました。笑

「数をやれ。最低千やれ」(海信語録)

釣り師として30年やってきて、「波止のスズキ(ハネ)」と、「アオサのグレ(海苔グレ)」と「イワシフカセのブリ(メジロ)」は「千」という数を釣りました。

まあ、数にこだわるなら、最低単位は「千」だと思うんですよ。石の上にも三年は千日だし、やってきた感触で言えば、「百は誰にでもできても、千は選ばれた人じゃないとできない」ような気がする、そういう数字だと僕は思います。

ただ、ドン臭いのが当たり前の釣りの世界で、これを吹聴したところで、やっかみのオンパレードだったし、今からの時代に、そんなこと言ってたら「化石やな」とも思うんですよ。

だからこれからは、

「釣りは努力なんか要らんよ。夢中になったらエエねん」(海信語録)

こうだと思います。

まあ、あまり夢中になりすぎて、「道具ばっかり買ってる」なんてことにならないようにしてくださいね。笑

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